top of page

How is our Brain created?

Synapse elimination:
An important process for the transition of immature brain   to functional brain

HP_Fig3.png
生化学 2016

Development of novel tools

生まれたばかりの動物の神経系では,盛んにシナプス形成が起こり,その密度は成熟動物の神経系よりもずっと高くなります。一般に,出生直後に形成されたシナプスは機能的に未熟であり,動物個体としても脳機能は未熟な状態にあります。成長につれて,必要なシナプスは強められて残存し,不必要なシナプスは弱められ最終的に除去されます。この過程は「シナプス刈り込み」と呼ばれており,成熟した機能的神経回路を作るための基本的過程であると考えられています。また、シナプス刈り込みの異常が自閉スペクトラム症や統合失調症といった精神神経疾患の病態である可能性が報告されており、非常に注目されています。

わたしたちは、シナプス刈り込みのメカニズム解明に有用なモデル系であるマウスの小脳の登上線維—プルキンエ細胞シナプスを用い、シナプス刈り込みのメカニズムを研究しています。小脳は運動や精神疾患との関連が報告されており,遺伝子―シナプス刈り込みー個体の機能の3つの関連を調べるためにとても有用な神経系です。

 

小脳の登上線維—プルキンエ細胞シナプスの刈り込みおいてわたしたちは以下の研究に取り組んでいます。

1. シナプス刈り込みの分子メカニズムの解明。

2. シナプス刈り込みの細胞メカニズムの解明。

3. シナプス刈り込み異常と疾患との関係の解明。

 

 

 

 

 

 

これらの問題に取り組むために、わたしたちは独自の組織培養標本、in vivo遺伝子操作法、分子機能スクリーニングシステムを開発してきました(Uesaka et al;., Journal of Neuroscience, 2012, Science, 2014, Neuron, 2018など)。さらにこれらの方法と電気生理学・イメージング・組織学・光遺伝学・化学遺伝子学の方法を組み合わせ、各細胞タイプそれぞれの活動の役割を明らかにしています(Mikuni et al., 2013, Neuron)。また小脳で発現する遺伝子に関して、シナプス刈り込みへの関与を網羅的にスクリーニングし、長年未知であった複数の重要遺伝子を同定しています (Uesaka et al., Science, 2014, Neuron, 2018; Mikuni et al., Neuron, 2013; Choo et al., Nature Communications, 2017)。

bottom of page